三井ホーム株式会社が安全施工実現を目指して、すべての建築現場において実施しているのが、鈴木さんたちが月に一度行う“安全パトロール”だ。その際に不可欠なのが、長年にわたって同社の安全施工を支えてきた「安全チェックシート指導票」である。
「4〜5名のチームでパトロールは行われます。チェック項目は、足場、防火設備、脚立、工具関係など多岐にわたりますが、それら器具・器材が適切に使われているかどうか、つまり使用方法に危険な因子は潜んでいないかどうか、徹底して確認していくわけです。もちろん、服装や整理整頓の状況もチェックの対象になります」
パトロール後は、チームごとに毎回反省会を行い、課題を出し合い、より高い安全の実現に向けた取組みを進めている。
鈴木さんが、チェックする上においてポイントにしているのは、使用される器材や器具の置き場所。使用後や移動した際、“元に戻すこと”は安全のために極めて重要なことだからだ。こうした作業がスムーズに行われるためには、マニュアルやルールの遵守に加えて、現場の職人さんたちの“意識”が極めて大切だと鈴木さんは言う。つまりそれは、安全対策の実施において、“やらされ感”を持つのでなく、職人さんがその重要性を強く自覚するということだ。
「私の現場では、最近は、職人さんから安全に関する新しい提案も生まれています。そうした、安全施工を実現するための意欲を引き出していくのも自分の役割。また、より安全性を高めるため、扱いやすく作業性に優れた、器具や器材の登場に期待したいですね」。